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債権回収とは?

債権回収とは

債権回収とは、「約束の支払期日を過ぎても入金されない金銭等について、適切な交渉や法的手続きを駆使して、自社の口座へ回収する一連のプロセス」を指します。

企業間取引(BtoB)や事業運営において、以下のようなあらゆる未払い金が回収の対象となります。

  • 売買代金・売掛金商品やサービスの納品完了後、期日を過ぎても未払い
  • 業務委託料・請負代金「検収が終わらない」などを理由とした不当な支払い拒否
  • 立替金退職者・休職者の社会保険料立替金、経費の立替未払い
  • 貸付金・損害賠償金関連会社や取引先への貸付金、契約違反に伴う損害賠償

「催促の連絡をする」ことだけが債権回収ではありません。相手の資力(資金繰り)を見極め、任意交渉・法的措置・財産差押え(強制執行)までを見据えて戦略的に動くことが、真の債権回収です。

なぜ「時間の経過」が最大のリスクなのか?

未払いが発生した際、最もやってはいけないのが「様子見」です。時間を空ければ空けるほど、回収できる確率は低下します。

リスク①

相手方の倒産・廃業・夜逃げ

時間が経つにつれ、債務者の資金繰りはさらに悪化します。倒産手続き(破産等)に入られると、無担保の売掛債権はほぼ回収不能(良くても数%の配当のみ)となります。

リスク②

財産の隠匿・消費・他社による先越され

資金難に陥った債務者は、残った預金を隠したり、身内や特定の業者だけに優先して支払ったりします。また、同じように未払いを抱えた他の取引先が先に裁判を起こして銀行口座を差し押さえてしまうと、自社が回収できる財産は何も残らなくなります。

リスク③

消滅時効による権利の消失

法律上、どんなに正当な債権であっても、一定期間放置すると「消滅時効」が成立し、相手方が時効を主張(援用)すれば、法的に1円も請求できなくなります。

民法改正による「消滅時効」の最新ルール

2020年4月1日の改正民法施行により、債権の消滅時効ルールは大きく見直されました。実務上、以下のポイントを正しく理解しておく必要があります。

【民法改正による消滅時効の原則】

民法166条1項により、債権は次のいずれか早いほうで消滅時効にかかります(2020年4月1日施行の改正民法以降)。

  • ① 債権者が「権利を行使できると知った時」から 5年間(主観的な起算点)
  • ② 「権利を行使できる時」から 10年間(客観的な起算点)

※企業の売掛金や取引上の債権は、通常「支払期日=知った時」となるため、原則「期日から5年」で時効となります。

例外・注意点

  • 判決や裁判上の和解などで確定した権利は、時効期間が10年に延びます(169条)。

1) 旧法(2020年3月31日以前の契約)との違い

改正前の旧民法では、「職業別の短期消滅時効」という複雑なルールが存在し、飲食店代は1年、売掛金は2年、工事請負代金は3年で時効にかかっていました。

  • 2020年3月31日以前に発生した債権旧法の短期消滅時効(1〜3年)が適用
  • 2020年4月1日以降に発生した債権原則として一律「5年」に統一されました。分かりやすくなった反面、「5年経てば請求権が消滅する」という厳格なタイムリミットが設定されたことになります。

2) 時効のカウントを止める・リセットする仕組み

時効が迫っている場合でも、法的な手段をとることで時間のカウントを止める(またはリセットする)ことができます。

  • 時効の完成猶予|催告(内容証明郵便等)催告書を送付することで、一時的に6か月間時効の完成を延期できます。ただし、これは「一時しのぎ」に過ぎないため、6か月以内に裁判を起こす必要があります。
  • 時効の更新|裁判上の請求支払督促や訴訟を起こして判決を得ると、時効のカウントがリセットされ、さらに判決確定から「10年間」時効が延びます。
  • 時効の更新|債務の承認相手方に「一言でも支払義務を認めさせる(一部内金を入金させる、支払猶予の申入書を書かせる等)」ことで、その時点で時効がリセットされ、ゼロから再スタートします。
裁判上の請求等(訴訟の提起、支払督促など)
完成猶予第147条第1項(手続が終了するまでの間)
更新第147条第2項(確定判決等によって権利が確定した時)
催告(裁判外の請求)
完成猶予第150条第1項(催告から6か月間)
更新-
協議を行う旨の合意
完成猶予第151条第1項(合意された期間・最長1年間)
更新-
権利の承認
完成猶予-
更新第152条第1項(承認があった時)

時効が迫っているときの注意点

  • 催告の効力は、内容証明郵便を発送した日ではなく、相手方に届いた日に生じます。時効完成の直前に送ると間に合わないおそれがあるため、余裕をもって届くように送る必要があります。
  • 6か月の猶予期間中に、もう一度催告しても、さらに延長されることはありません。
  • 時効の完成が近い場合は、催告にとどめず、訴訟の提起や支払督促の申立てを検討します。

「待っていれば払ってくれる」は楽観的。早期介入が回収率を左右する

「長年の付き合いだから」「もう少し待ってくれと言われたから」と誠意ある対応を期待して放置することは、債務者に対して「回収を後回しにしてよい相手」という格好の口実を与えるだけです。

  • 支払期日の支払が遅れはじめたら、社内アラートを上げる
  • 相手の言い逃れが始まったら、ただちに専門家(弁護士)を介入させる

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